初めてのアメリカは会社の海外出張だった

私が初めてアメリカに行ったのは20代のころだ。入社して初めての海外出張ということで、5万円程度の支度金をもらった記憶がある。このお金で旅行用のスーツケースを買うのである。
今と違って、スーツケースが高かったこともあり、自腹を切るとなると結構な出費になってしまうから、この支度金は大いに助かった。

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今では信じられないかもしれないが、当時、海外出張は全てビジネスクラスのチケットを会社が用意してくれた。ニューヨークまでなら、40-50万円もするノーマルのビジネスクラスのチケットをもらい、当面必要なドル建てのトラベラーズチェックを用意してくれた。
ホテルのチェックインは自前のクレジットカードを使い、チェックアウトする時にトラベラーズチェックで支払い、クレジットカードの用紙は破り捨ててもらうのが通例だった。

毎日の食費は日当という形で、固定の金額を会社から支給されるので、食生活は充実している。
レストランで食べても日当で賄えるので、ファーストフードで済ませれば利益が出てしまう。
1ヶ月以上の長期になれば、その利益で電化製品をいくつも買えてしまうくらいの金額になる。

 

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初めて行ったアメリカで最初に到着した空港は何とラスベガス。今でも覚えているのは、ホテルというかモーテルの名前、「トラベルロッジダウンタウン」だ。その名前から想像できる通り安ホテルだ。繁華街に近いので、宿泊費は極度に安くはないが、郊外では30ドルくらいで泊まれるホテルとして知られている。安いとはいえ、大阪の安ビジネスホテルに比べれば遥かに居心地のよいホテルだと思う。

ラスベガスでの目的は、最新の技術情報やトレンドを視察すること。日本で言うビジネスショー的なものに参加して、展示されている新商品のトレンドから将来の自社製品のマーケティングに生かすことだ。宿泊ホテルから会場へは歩いて通う。その途中で、レストランに立ち寄り初めてのステーキを注文する。日本で英語の先生から聞いていた分厚くて豆腐のように柔らかいビーフステーキを想像していたが、それは幻想であることが判明したのはこの時だ。

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もちろん、肉の質はピンキリで、日本だって、A5のミスジは文句なし。アメリカだって店によって、また値段によって品質が違うのは当たりまえ。アメリカで旨い肉を求めるなら、むしろジャパニーズレストランが要求を満たしてくれる可能性が高いのではないか。