スクールバスには注意、追い越しは絶対禁止

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日本にもスクールバスは存在するが、あまり見かけることはないかもしれない。アメリカのスクールバスというとその色はとても目立つ派手なイエロー。これは交通環境の中でできるだけ目立たせるための措置だとか。路上ではイエローのバスを見たら注意しよう。大通りでは真っ直ぐ走るだけだから問題ないが、学校の周辺では生徒が乗り降りするために頻繁に停車する。このとき、間違っても追い越そうなどと考えてはいけない。じっと耐えて待つしかないのである。

夏休み、冬休みなどを除く就学期間中、朝の7時ころから学校が始まるまでの時間、そして帰宅時間である3時ころから一時間程度は要注意だ。運良く夏休み中であればスクールバスを見かけることはほとんどないだろう。また、住宅地から離れた場所ではスクールバスはほとんど走っていない。

スクールバスが停車するとストップサイン付きのパネル(ないこともある)が開くと共に黄色の停車灯がひかり始める。例え追い越せるスペースがあっても生徒がどこから飛び出すかわからないので後続車は停止しなければならない規則になっている。

通学時間帯の通学道路ではスクールバスが往来するかどうかに関わらず、守るべき制限速度が決められているから厳密に従うようにしよう。「10マイル程度ならオーバーしてもよいかな」などと考えがちだが通学時間帯は絶対に避けたほうがよい。(それ以外の時間帯にスピードオーバーを推奨しているわけではないので。念のため。)やはりこの時間帯はかなりのノロノロ運転で渋滞状態になるから、通学の様子を見たいのでなければこの時間を避けるようにしたい。

就学期間が終了して夏休みなどに入るとスクールバスを見かけなくなるが、市町村などの行事やサマースクールで使われることもあるようだ。余談だが、以前コロラド州に行った時に、ボートを使った急流川下りに挑戦したことがある。全員休憩所に集めて、そこから現場に向かうことになるが、このときに使われたバスが古くなったスクールバスのお下がりだった。スクールバスに乗ったのは後にも先にもこのとき限りである。貴重な体験?をした。

本当に怖いスラム街、怪しい場所に迷い込んだら即引き返す

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「怪しい場所」と言われてもピンとこない方も多いと思うが、スラム街や極端に人通りの少ない場所と考えて頂ければよい。主要道路から脇に入り込んだ場所で、ビルが立ち並ぶがスラム化して窓ガラスが割れ誰も住んでいない(はずの)場所だ。こういう場所では車も見捨てられた状態で窓ガラスが大破、タイヤがもぎ取られた光景を見かけるから「怪しい」ことに直ぐに気づくはずだ。このような場所はカリフォルニア、シカゴ、テキサス、ニューヨーク等どこの州に行ってもあるようだ。

もしこのような怪しい場所に入り込んだら即座に引き返したほうがいい。例え車で走っていても、何が起こるかわからない。以前、出張でニュージャージー州にあるニューアーク空港から車でハイウエイを経由してホテル目指してわき道に入り込んだことがある。既に日が落ちていたこともあり、一方通行で思うように目指す場所に到達できず、ウロウロしているうちにスラム街に迷いこんでしまった。そこは、まるで絵に描いたような廃虚でビルが立ち並ぶが誰も住んでいる気配はなく、真っ暗な上、窓ガラスなどがない吹き抜け状態。通りでは人の往来もなく、ゴミと一緒に数台の車がスクラップになっていた。とんでもない場所に迷いこんでしまったことに気づき、一目散に逃げ出した記憶がある。後から聞かされたが、ニューアークのスラム街は本当にひどいところらしい。

インターステート(州をまたがる高速道路)などの大きな道を走っている限り、方向を外すことはないが、都会では地図を見ながら走っても目的地から外れてしまうことがある。ここでも「道に迷ったら引き返すべし」という鉄則に従ったほうがよい。迷ったことを承知で走り続けると、今度は自分が何処を走っているのか全く判らなくなってしまう。初めて走る場所では、最短で目的ルートに戻ろうとして結局さらにルートから外れる結果になってしまうことが多いものだ。

自己解決できないほど道に迷ってしまったときには、コンビやスタンドなどに立ち寄り、主要道路への戻り方を聞こう。地図を見せながら聞けば親切に教えてくれるはずだ。

I am lost. Please tell me the way to route 129 などと聞けばよい。細かい道を聞いても相手が知らないこともあるから、機転をきかせてできるだけ誰でも知ってそうな目標を掲げることだ。英語に自信があれば車窓から顔を出して他のドライバーや通りを行く人に尋ねてもよいが、誰でも知っているとは限らないから5人や6人には聞く覚悟で臨んだほうがよい。現地の住民はよくこんな風に道を尋ねてくる。私ももドライバーから聞かれて丁寧に道順を教えてあげたことがある。

アメリカの道路標識は日本と比べて大差ない

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道路標識に関する詳細はガイドブックなどの他の文献を参考にして頂くとして、ここでは重要事項について紹介する。交通法規に関しては、以下の点を除き日米での差はほとんどない。大きな差は2つあるのでよく覚えておきたい。

1) 信号が赤でも右折してよい。但し、一時停止して安全確認した後のこと。例外があり、「NO TURN ON RED」(赤信号での右折禁止)の表示がないこと。
2) 踏み切りで一時停止する必要なし。下手に急停車すれば後続車から追突される可能性あり。但し、安全確認は必要。必ず耳で列車が近づいていないことを確認すべきである。

あとは英語がわかれば問題ないはずであるが、そうでない方のために理解し難い標識を紹介するので覚えておこう。直感的に絵柄で理解できるものが多いが、そうでないものがいくつかある。初めてのドライブでは迷うものばかり並べてみた。

YIELD  ;「譲れ」の意。道が交わるところで相手が優先される場合の標識。止
る必要はないが、十分注意して進むように。

MERGE  ;この先で道が交わることを意味する。車が入ってくるから注意する。

WRONG WAY ;「誤った方向」の意。一方通行で侵入禁止。フリーウエイの出口付近
でよく見かける。これとは別に日本と同じ侵入禁止の標識もある。

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もっと詳しく学びたい方は以下を参照するとよい。カリフォルニアのDMV(Department of Motor vehicle)のホームページでは運転者用のマニュアルや免許取得試験用のサンプルテストをオンラインで試すことができる。
http://www.dmv.ca.gov/

Sample Written Driver License Tests で検索、オンラインで模擬的に試験を受けることができる。全て英語であるが、その場で正解/不正解がわかるから交通法規を学ぶには便利だ。以下はドライバー用のハンドブックで、じっくり読んで勉強したい人にはお勧めだ。
http://www.dmv.ca.gov/pubs/hdbk/driver_handbook_toc.htm

以上、いずれも「カリフォルニア州」をキーにして検索したものであるが、州ごとに内容は異なっている。どこか特定の州で長期滞在や留学などで免許取得を考えているならその州のホームページを探してみよう。「Drivers Manual 州名」または「DMV 州名」等で検索すると見つけることができる。

アメリカでのドライブは右側通行。左折には注意

アメリカでのドライブは右側通行。簡単なことだが、はじめて運転するときには体がついていかないことが多い。基本的なところでは左座席が運転席、左ハンドル、右側にあるシフトレバーそして方向指示器が左側。アメリカでの運転に慣れ帰国すると、方向指示器と間違えて、ついワイパーを動かしてしまう。

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左折するときには要注意だ。センターラインを超えて反対車線に出てから左折しなければならないが、日本での運転に慣れていると手前の斜線で左折してしまうことがある。一方通行を逆走している状態に陥ってしまう。理屈では判っていても非常に間違え易いから、左折するときには意識的に注意を喚起するようにしたほうがいい。

以前に次のような体験をしたことがある。レンタカーをピックアップした直後、夜も既に深まっており、通行車両もない中で左折を完了して暫く走っていた。すると、前方からヘッドライトの光とともに車が近づいてきた。何が起こったのが判らなくなって、車を左側に寄せて急停車した。(ここでも左側に寄せるくせがでている)前方から来た車は走り去ったが、この時点でやっと自分が逆走していたことに気づいた。そのままUターンをして事なきを得たが、後で考えるとゾッとする一場面である。

二車線レーンでは、当然右側が走行車線で左側が追い越し車線になる。左折する場合は左車線に移動してから左折するのが正しい左折方法だ。これを守らず警官に見つかると違反切符を切られるから注意しよう。右車線から急激に車線変更して左折してしまった友人が直後にいたパトカーに見つかり、違反切符を切られたことがある。帰国直前、レンタカーを返却するのに空港へ向かう途上での出来事だった。最後の最後で気を抜いてしまい、楽しい旅もトホホで終了するはめに。

 

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車線変更での注意点をもうひとつ。ハイウエイを走っていると遅い車を避けたり、道が分かれたりするので、車線を変更しなければならないことが度々ある。特に、右車線に移動する場合は慎重に行おう。バックミラーから見えない死角があるので斜め右背後を走行する車に気づかない場合がある。自分の左側を走行する車は比較的察知し易いが、右側の場合は若干振り返って確認しておいたほうがいい。この点でも日本とは左右が逆転するから、車線変更する場合、意識的に注意を喚起したい。私の経験として、車線変更時に危うく死角にいる車に衝突しそうになったことが度々ある。相手が避けてくれたので事故には至らなかった。もし自信がなければウインカーを出してから少し時間をおいてゆっくり車線変更することだ。死角にいる相手は、前を走行する車はよく見えているのだから。

ルールを守って正しく運転すれば事故に遭う確率は大幅に減少するはずだ。まっすぐ走っていれば事故は起きにくいが、車線変更時には要注意。

長距離走行前のガソリンチェックを怠ると…

都会を走っている限り、行く先々にガススタンドが存在するからあまり気にする必要はないが、人里はなれた郊外でのドライブでは要注意だ。

100Km走っても一軒も見当たらない場合だってある。また、そういう場所では単価が上がるから早めにチェックしておいたほうがよい。

 

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特にNationalパークに行く場合は途中の町で休憩兼ねてガススタンドに立ち寄るとよいだろう。ガソリン補給したときに補給量と距離(mile=1.6Km)の関係を計算しておけば概ね燃費を把握することができる。

一概には言えないが、満タンで概ね200mileの走行が可能である。事前にルートをチェックして、走行中どの辺で補給すべきか想定しておくこともできる。

以下はある友人から聞いた話である。アメリカからカナダの国境を越えて走行中に突然車が動かなくなった。レンタカーのメーターが壊れており、ガス欠状態であることが判明。

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営業所で車をピックアップしたときに満タンであったかどうかも定かではない。その友人はかなり焦っていたが、周辺の車に助けを求め、微量のガソリンを調達。何とか事なきを得たが、ここでの教訓は「ガスメーターを過信するな」である。

出発前に補給しておけばメーターが壊れていることも事前に察知できたはずだし、実際にどの程度給油できたかも把握することができたはずだ。

「そこまでやるか?」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、アメリカでは何が起こるか判らないというのが私の経験から言えることだ。有名なレンタカー会社ではあまり不具合を経験することはないが、マイナーなところでは用心しておくべきだ。

ちなみに、友人のケースではバジェットレンタカーで起こった事件である。これは私の勝手な判断であるが、HeartzやAvisの信頼度は高いと思っている。比較的新車に近い状態で貸してくれるので不具合を経験したことがない。

ハイウエイを走っているとロッジ(モーテル)やガススタンドの看板が現れるから必要に応じてハイウエイ出口で降りればガススタンドやロッジを簡単に見つけることができる。日本のような高速道路にある休憩所は少ない。時々見かけるのはトイレだけがあり、売店などのない駐車スペースだ。

ロッジがあるところでは食事もできる場合が多いからロッジの看板を目印にするのがよい。

ドライブ中は小銭をもっておかないと後で面倒なことに

アメリカでよく使われる硬貨は25セントで、クオーター(1/4ドルの意)と呼ばれている。

その他に10セント、5セント、1セント硬貨が市場に出回っている。ラスベガスに行けば50セント、$1硬貨を見ることができる。

郵便局でも自販機で切手を買うと、$1硬貨がお釣りとして出てくることがある。50セント以上の硬貨はあまり一般的ではないので持つ必要はないが、ドライブ中は25セント硬貨を何枚か持っておいたほうがよい。

無人の有料道路で通行料を払うためだ。TOLL GATEで料金を徴収される。

余った硬貨は買い物やチップとして使ってしまうか、記念に持ち帰るしか用途がないので大量に交換しないほうがよい。コンビニで小物や飲料水などを買い、そのお釣りで入手するのも手だ。

ホテルのフロントでも交換してくれるから適当な額をお願いするとよい。
事前に地図で確認しておけば一般道と有料道路(青字)との区別はできるが、フリーウエイを走っていると有料道路に接続される場合がある。

とっさのことで、どうして良いか判断に迷うし、係員が居るライン目指して急に方向を変えるのも危険である。短距離なら50セントか75セントの通行料をチャージされることが多い。

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無人の場合は通過地点のゲートにバスケットのようなものが用意されており、そのバスケットに硬貨を投げつけるように入れるとゲートが開く仕掛けになっている。

フロリダの空港(Orlando)からデイズニーワールドに向かう途中にいくつも有料道路を通過することになるが、数ドルの通行料をチャージされる場合はしっかり係員が居るので問題はない。紙幣で払えば

お釣りをくれる。
それ以外で硬貨が必要になるのは道路のメーター式の駐車スペースを使う場合や自販機でコーラなどを買う場合だろう。メーター式の駐車スペースを利用するときには25セント、10セントなどの硬貨が必要になる。お金を入れずに駐車すると、時々警官が回ってきて違反切符を切られるので注意しよう。

硬貨を持ち合わせていないと「ちょっとだけだから」と考え、ついそのまま駐車してしまうことが多いものだ。

 

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話ついでにメーター式の駐車スペースについて気づいた点を言えば、終了時間が来る前に明け渡してしまう人々をよく見かけることだ。

時間切れになると、赤色のEXPIREと書かれた文字盤がメーター内に現れる。

駐車スペースを一つ一つ見て探すとまだEXPIREせずに時間が残っている場合がある。残り時間を確認して、十分余裕があれば硬貨なしでも駐車することができる。