生の英語は速すぎて何を言ってるかわからない

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何しろ、NHKのラジオ英語会話という講座でしか英語を聞いたことがなかったもので、生の英語に接して度肝を抜かれたというのが本音
のところだ。このころまだ、英語を話すこと自体に臆病で、英語を口にすることの気恥ずかしさもあって、思ったことを何も伝えられない自分がいた。

後になって気づくことになるのだが、完璧な英語でなければ話してはいけないという観念が我々日本人に根付いているように思う。間違いを気にせず、何でも話してみることが進歩につながるのだ。

英語を習いたてのアメリカ在住のメキシコ人の英語を聞くとその無茶苦茶ぶりがわかる。彼らは生きるために体裁など気にしてはいない。手段選ばず兎に角相手に自分の意思を伝えるのに必死だ。文法なんてくそ食らえ!といわんばかりの勢いがある。

 

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初めてのアメリカ出張で、ラスベガスに滞在し、そこからボストンに向かう。関連会社が主催するセミナーに参加するのが目的だ。セミナー初日に聞く英語のスピードは速い。全く耳に入ってこない。2割も理解できないから全体を通して何を言っていたのか皆目見当がつかない。

横に座っていた他の部署から参加していた同じ会社の先輩たちはほとんど理解しているようだった。
将来の自分もこの先輩たちと同じように英語を理解する日がくるのだろうか? 何としても、そうなりたいと願ったものだ。

初めてきたアメリカで、生の英語に触れ、「もっと英語を理解して、話せるようになりたい」できれば将来またこの大地を踏みたいと強く願って帰国の途に着いた。

それから、5年後に再び戻ってくることになるとは…この時は考えもしなかったのだが。。。

初めてのアメリカは会社の海外出張だった

私が初めてアメリカに行ったのは20代のころだ。入社して初めての海外出張ということで、5万円程度の支度金をもらった記憶がある。このお金で旅行用のスーツケースを買うのである。
今と違って、スーツケースが高かったこともあり、自腹を切るとなると結構な出費になってしまうから、この支度金は大いに助かった。

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今では信じられないかもしれないが、当時、海外出張は全てビジネスクラスのチケットを会社が用意してくれた。ニューヨークまでなら、40-50万円もするノーマルのビジネスクラスのチケットをもらい、当面必要なドル建てのトラベラーズチェックを用意してくれた。
ホテルのチェックインは自前のクレジットカードを使い、チェックアウトする時にトラベラーズチェックで支払い、クレジットカードの用紙は破り捨ててもらうのが通例だった。

毎日の食費は日当という形で、固定の金額を会社から支給されるので、食生活は充実している。
レストランで食べても日当で賄えるので、ファーストフードで済ませれば利益が出てしまう。
1ヶ月以上の長期になれば、その利益で電化製品をいくつも買えてしまうくらいの金額になる。

 

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初めて行ったアメリカで最初に到着した空港は何とラスベガス。今でも覚えているのは、ホテルというかモーテルの名前、「トラベルロッジダウンタウン」だ。その名前から想像できる通り安ホテルだ。繁華街に近いので、宿泊費は極度に安くはないが、郊外では30ドルくらいで泊まれるホテルとして知られている。安いとはいえ、大阪の安ビジネスホテルに比べれば遥かに居心地のよいホテルだと思う。

ラスベガスでの目的は、最新の技術情報やトレンドを視察すること。日本で言うビジネスショー的なものに参加して、展示されている新商品のトレンドから将来の自社製品のマーケティングに生かすことだ。宿泊ホテルから会場へは歩いて通う。その途中で、レストランに立ち寄り初めてのステーキを注文する。日本で英語の先生から聞いていた分厚くて豆腐のように柔らかいビーフステーキを想像していたが、それは幻想であることが判明したのはこの時だ。

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もちろん、肉の質はピンキリで、日本だって、A5のミスジは文句なし。アメリカだって店によって、また値段によって品質が違うのは当たりまえ。アメリカで旨い肉を求めるなら、むしろジャパニーズレストランが要求を満たしてくれる可能性が高いのではないか。