前回紹介したこれまでの経緯:
FHY-32GS7から電磁ポンプをはずして、FW-363Lに装着したところ、正常動作 を確認することができた。FHY-32GS7に使われる電磁ポンプのリード線は短め だったため、2本のケーブル延長を行いFW-363Lに装着した。
ケーブル延長に使用したブレッドボード用のジャンパーワイヤ
以前にamazonで購入したもの。
ここまでくれば、最悪でもパーツ交換すれば故障した FW-363L は甦る。
ダイニチ発表のパーツリスト:
http://www.dainichi-net.co.jp/~hanbai/after-partslist/parts.htm
をみれば、電磁ポンプは部品 2000円(税抜)として存在しているようで、メーカーに在庫があれば近所の電気店やホームセンターでも取り寄せて もらえることが確認できた。
一安心して、
ダメもとで電磁ポンプの修復をしてみたくなった。
電磁ポンプの写真(本体から取り外し、フィルターとリード線を外した状態)フィルターは簡単に外れる
何度も目視で確認するが、ゴミらしきものも存在していないし、壊れている 様子もなし。試しにポンプとして動作するのかどうか確認してみる。
写真の赤〇と青〇にDC 6V を加えてみる。極性も入れ換えてみるが、動いて いる様子はない。恐らく DC 12V くらいで動くのではないかと思い、手元に あったノートパソコン用の電源DC16Vを一瞬加えて離してみる。
(青〇にプラス極、極性を入れ換えてもほぼ同じ動作)
何とポンプに残った燃料が写真左方向のパイプから勢い良く飛び出す。何度か試したが、電源を一瞬 加える度に燃料が飛び出す。
実のところ、極性は良くわからないが、ポンプとしては動作するようだ。 写真の赤〇と青〇間の抵抗値は実測で約57Ω、DC 12V を加えるとコイルに 流れる電流は計算上、12/57=約200mA となり、この程度の電流で壊れること はないだろうと判断。この電磁ポンプにパルス状の電圧と加えることで 連続運転させるのだと思う。
電磁ポンプに実装されている抵抗は約8Ωで、FHY-32GS7に実装されていたもの とは異なるが、この直列抵抗を介して実測される抵抗値はどちらも約57Ωと 一定値を示すことから、製造時のコイルのばらつきを抑えるための調整用の 抵抗と考えることができる。
さて、前置きが長くなったが、問題はこのポンプのいったい何が悪いのか?
前述のことから、電気的には問題なさそうだし、あとは機構上の問題がない のか確認してみることにした。
写真に示した通り、つま楊枝を挿入して矢印の方向にピストン運動させる。
ポンプに残った燃料が勢いよく飛び出すのが確認できた。
たらいに水を張り、楊枝を挿入したまま(楊枝を挿入したほうを下に)水に 浸して楊枝をピストン運動させてみる。すると昔やった水鉄砲のように水が勢いよく飛び出した。
これを20回くらいやって、引き上げてから最後に完全に水がなくなるまで ピストン運動を繰り返す。(これでポンプのゴミ出し、掃除ができた)
ゴミ出し、掃除をした電磁ポンプを本体に装着。
何と全く問題なく動いてしまった!
【考察】
この作業をする前、ポンプ内には燃料が残っていた。燃料に多量の水分を
含んでいた可能性は高い。ポンプのゴミ出し、掃除はしたが、ゴミという より、多量に混入した水の影響が大きいのではないかと思う。
これを全て吐き出して新たな石油を循環させることで正常に戻ったのでは ないかと思う。
すなわち、ストーブ本体のタンク内に水が混入した場合、全ての燃料を スポイトで吸い取ったつもりでも、電磁ポンプ内に残っている場合には 「正常運転できない」ということなのだろう。ファンヒーターは水に弱い と肝に銘ずるべきか。
ファンヒータの場合、水が混入して燃焼できない状態がほんの少し続いた だけでも、燃焼センサーにかかって、安全性を考慮して運転を停止する しくみになっているのだ。エラーコード E02着火ミス
ファンがない旧式のストーブであれば起こらなかった問題ではないか。
これはやってみないと分からないことであるが、ポンプ内に水が混入した 場合でも、そのまま放置して水分が抜けて1年後に正常に戻ることがある かもしれない。
我が家の冷蔵庫の例では、製氷機が故障、2年後に自然復旧した経験がある。
冷蔵庫なので、製氷部分に水を送るパイプが凍結して水の供給経路が遮断 されたと考えられる。